「森の交響曲」斉藤俊雄・脚本

「真剣に見る」 太東中学校・教師

 いつも心に残る劇をありがとうございます。最近は、太東中の演劇部の劇を見る心構えというものが身についてしまいました。それは、真剣に見るということです。

 一つ一つの言葉の中にこめられたものが、何なのか。それが、時にストレートに伝わってくるときと、後で気がついて、そういうことだったのかと気付かされるときと、ひょっとすると最後まで気がつかないことさえありそうで。ですからまた観たくなるんですよね。

 グリオブラストーマ(悪性脳腫瘍)に冒された響子がみどりに伝えたかったことってなんでしょうか。親としての娘への愛なのでしょうか。それとも娘への懺悔なのでしょうか。いや、そうではなくて、人間としての生き方なのでしょうか。生きるものたちすべてへの慈しみなのでしょうか。

  みどりが体験した(読んだ)戯曲が、母、響子の歩いてきた道であったなら、みどりのこれからの生き方は、苦しい中にも希望を見つめながら歩き続ける、人として温かいものとなっていくのでしょう。

  じんだら沼の悲劇は、響子だけの悲劇ではないように感じてなりません。降り積もっていく絶望。辺り一面につもっていく絶望。これでもかこれでもかと絶え間なくまかれていく絶望。表情を消してまいていく、黒子達を見ていたら、なぜ悲しみがあふれました。

 人間の愚かさ、救いようのなさ、どうしようもない無力感、はかなさ、「どうしちゃったんだ」そんな言葉が現実の世界でも、飛び交っているような気がします。

 そんな中で、救われたのは「絶望は死ではない」そして「希望ばかりでは希望が見えなくなっちゃう」という言葉です。歌姫のハーモニーよかったですね。あれだけの観客の前で聞かせる歌声。心に迫りました。

  一人二役の妙。見せ所。自分が自分でなくなる苦悩というものはどんなものなのでしょうか。恐怖。驚き。絶望。探偵から正体を現すグリオブラストーマ。みどりと対峙するグリオブラストーマ。引き込まれる場面でした。

 手前の現実のみどり。そのすぐ前で繰り広げられる物語。細やかな動きには思わずうなずいてしまうほどでした。映画なら撮り直しができますが、演劇ではそうはいかない。ページをめくるしぐさなどうーむとうなりました。  

 ほっと肩の力が抜ける場面。これがまた楽しい。ユーモアあふれる科白、ユニークな言葉と動き。そして今回の棒術。ダンスがくるかくるかと思っていたらやられました。今までの縄跳びや、傘や、モップのダンスや手品もわくわくしましたが、今回の棒術も見事でしたね。ハラハラしましたが迫力ありました。  

なんかよくつかめてないのかもしれません。やっぱりもう一度観たいですね。ありがとうございました。     

「心地よい疲れで、満足感でいっぱい」 主婦

読売新聞紙上で今回の公演のことを知り、久喜教育委員会に問い合わせして、本日は観劇させていただきました。
午前の部からと思い、8時に自宅を出てやってきました。

中学生の演劇は子供の学校での文化祭くらいでしか見ておりませんので、どう感想を述べてよいのかうまく表現できませんが、とても素晴らしいと主人と感激いたしました。

出演者のみなさんの声がよく通り、音楽も衣装もよく、2時間におよぶ劇にも集中させられ観客も靜かに食い入るように見ていました。

本日は春日部から朝早く来ましたが、心地よい疲れとでもいいましょうか、満足感でいっぱいです。

「自然からの叫び声が聞こえた」 中学生・久喜中

今回で太東中の劇を観るのは四回目です。これまでずっーと見てくると、最近のは「生命」という、一番身近で尊いものをテーマとしているのが多いですね。

今、問題になっていることを劇で演じる。思いが伝わりにくい点もあるかと思いますが、森や自然からの叫び声が聞こえた気がしました。

一つ一つの表現もとても大きく、劇に入り込むことができました。すごかったです。

今回の照明の使い方、とてもきれいでした。2時間ものあいだ楽しませてくれて、ありがとうございました。

「何を伝えたかったのか、最後にわかった」 太東中1年

少しむずかしい劇だったけど、何を伝えたかったのかが、最後にわかったような気がする。
とてもよかった。

「彼女にも本当に見せてあげたかった」 主婦

たくさんのメッセージが伝わってきました。

この作品は森の生命の物語であり、母と子の心情の通いの物語であり、また二十一世紀へ向けた希望の物語でもあると思います。

今、闘病中の友人がいて、彼女も放射線治療を受けながら、毎日ものすごいエネルギーでがんばっておられますが、やはり一人娘さんがおられます。

ラストのシーンは声を上げて泣きたいような気持ちでした。
彼女にも本当に見せてあげたかったです。

「宝物のような3年間」 高校生・OG

大成功・おめでとうございます。森の交響曲を演じたときのことを思い出し、とても懐かしく、当時の舞台の記憶が蘇ってきました。

みんなとても素敵でした。1年生もみんな上手で台詞も聞き取りやすく、ますます発展(レベルが上がっている)してるなぁと驚きました。

太東中を卒業して二年半、高校で演劇部には入部せず、太東中の劇を観るたびに、演じることができるみなさんをうらやましく思いました。
本当に宝物のような3年間だったと今も改めて感じています。

毎日毎日、縄跳び、ダンス…と疲れてしまう日々だと思いますが、この貴重な時間を十分楽しんでください。