「怪談の多い料理店」斉藤俊雄・脚本

「信念が作り出すもの」 太東中・教師

自然の中で生き、自然の中の一部である妖怪達。彼らはかっこよくて、優しい。
ダンディな木の葉天狗。ダンスもやっぱりカッコイイ。
透き通った魅力の木霊。響き合う声に惹きつけられました。
洒落たバロウ狐。死の直前までしゃべり続けた洒落た言葉。
人間的な小豆洗い。彼に「俺は馬鹿でよかった」と最後に言わしめてしまう人間の愚かさ。
天邪鬼の悲しみ「結局、幸せになるのは魔法を解かれた王子様。俺は…!」
そう叫びながらも、どこかで救われたいと思っているはず。

その心を救ってくれた静。彼女自身も生きていけぬほどの心の痛みと絶望を抱えながら、いや、抱えてしまったからこそ天邪鬼の本当の優しさがわかったのですね。
二人をたくさんの矢が貫いてしまったとき、「あなたが好きよ」といった彼女を抱きしめながら叫んだ天邪鬼。
涙がとまりませんでした。

 この「怪談の多い料理店」にはあげればきりがないほど、魅力がいっぱいです。
ユーモアがふんだんにちりばめられた中でも、私が結構好きなのは、美術室で繰り広げられる「山姥の微笑み」。
これはわかってても笑えます。「縄がいいかい。ナスがいいかい」は最高ですね。
そしてさりげなく三重跳びを見せてしまうところなどまさに大拍手。

また、鏡のシーンも面白い。ワクワクします。
支配人とシェフの語りも魅力的でインパクトが強いです。

切なさを残しながらも爽やかさがあふれるこの劇の終わりは、好きです。
映画のように場面転換が多く、後になって繋がってくる各場面という、演出もいつもながら味わい深いです。

人間の弱さ、愚かさを強烈に描いているところは、自分自身の生き方にグッと差し迫られてくるようでもあります。

いつもながら思うのは、登場人物達の魅力。そして見事にそれにはまる演劇部員達。
新しいメンバー(1年生)を加えての今回の劇は、これまたいっそう魅力的なものでした。
1月の「雪物語」から半年、楽しみにしていた今回の公演。この六ヶ月で確かに部員達は成長していました。巧くなったなあと思いながら楽しませていただきました。

 前回の「怪談の多い料理店」で出演していたOG達が来てました。きっと自分の演じた役の台詞を思い出しながら、見入っていたことでしょう。こうして演じる生徒達が変わっても、しっかりその魅力を受け継いでいく力。それは生易しい中途半端なものではない、劇を作り上げていく先生と生徒の信念が作り出すものなのでしょう。ありがとうございました。

「このエンターテイメント!」 医師

公演「怪談の多い料理店」の大成功おめでとうございます。なぜ無から、こんなすばらしい世界を生み出せるのか不思議です。

会場を埋め尽くした大勢の子供も大人も、みんな楽しませてしまう、このエンターテイメント!その計り知れない力量と才能に、ただ圧倒され感服するのみです。 

舞台装置や音響効果にはいつもながら感心させられますが、今回は特に脚本の幾重もの劇中劇がやがて異次元が繋がるかのように収束してゆく構成力の巧みさや、非現実的な世界のリアリティ、更に全体を貫く、自然を愛する心と深い人間愛に激しく感動しました。
とりわけ「天邪鬼」を生み出し得たことは、快挙に値すると思います。

この舞台がビデオでしか残せないことを、とても残念に思います。

「枠に縛られない素敵な姿」 主婦

初めて太東中の演劇を観たのが「怪談の多い料理店」でした。確か、小ホールが立ち見になってしまったと きです。何年か経っても全く冷めていません。世代が変わっても冷めないまま続いていく…素晴らしいことです。

他の学校が太東中の作品を演じたのを観たことかがありますが、どんなに材料がよくても、それをきちんと料理できたのは太東中だけでした。

ただ一つの内容にすべてをかけて、世の中に向かって訴えているその様子は「中学生」というわくに縛られない素敵な姿です。よく新聞等で「中学生とは思えない演技力」などと書かれたりしてますが、それは中学生に対して失礼です。

これからも、もっと枠を広げてたくさんの感動を私達に与えてください。

「子供が大喜びでした」 主婦

初めて見に来ました。
幼稚園児と小学低学年の子供を連れては、少し無理かなと思いましたが、二人ともとても面白かったと喜んでいました。
特に第2話、第4話、第6話は大喜びでした。

いろいろと舞台劇を見ましたが、中学生があそこまで素敵にできるとはびっくりしました。

これからが期待できる生徒さんが大勢いて楽しみですね。
また、次回も是非みたいと思いました。がんばってください。

「時間を忘れるほど」 中学校演劇部顧問

舞台に引き込まれ、時間を忘れるほどでした。
役者一人一人が自分の役を愛し、なりきっているのが見るものの心を惹きつけたのだと思います。

特に「天邪鬼」は、とても中学生とは思えない演技でした。
どのようにこの舞台を作り上げたのか、それをぜひ教えていただきたく思います。

今日は、すばらしい劇をありがとうございました。